年収1,000万円の実際の手取り額は!?
高収入の代名詞とも言える「年収1,000万円」。
国税庁が公表している「平成30年分民間給与実態統計調査」によると、日本で年収1,000万円以上の人は250万人弱で、給与所得者のわずか5%。
狭き門であることが分かります。
庶民がうらやむ年収1,000万円だと、実際の手取り額がいくらになるのか調べてみました。
今回の設定
税金や社会保険料は、年齢、家族構成、勤務地、職業などで変わってきます。
今回は以下の設定としました。
・会社員(営業職)
・35歳
・額面年収1,000万円(毎月83.3万円、各種手当なし、ボーナスなし)
・東京23区在住で勤務先も都内
・給料以外の収入無し
・前年も年齢以外は全く同じ
独身のケースと既婚(専業主婦、子どもなし)のケース、あと年収1,000万円と少し違うかもしれませんが夫婦共働きで世帯年収1,000万円(年収500万円×2、子どもなし)のケースの3通りで計算してみました。
ケース① 独身
額面収入:83.3万円
社会保険料:10万円
所得税:7.2万円
住民税:5.2万円
天引き合計額:22.4万円
手取り額:60.9万円
毎月の社会保険料が10万円にもなり、所得税と住民税を合わせた天引合計額は額面給与の1/4を超えています。
年間では270万円も天引きされ、年間の手取り額は730万円でした。
ケース② 既婚(専業主婦、子どもなし)
額面収入:83.3万円
社会保険料:10万円
所得税:5.2万円
住民税:5万円
天引き合計額:20.2万円
手取り額:63.1万円
社会保険料は独身の場合と同じ10万円ですが、所得税が2万円、住民税が0.2万円軽減されています。
年間の天引額が250万円弱、年間の手取り額は757万円になります。
ケース③ 世帯年収1,000万円(年収500万円×2人、子どもなし)
額面収入:41.7万円×2=83.4万円
社会保険料:5.9万円×2=11.8万円
所得税:1.3万円×2=2.6万円
住民税:2万円×2=4万円
天引き合計額:9.2万円×2=18.4万円
手取り額:32.5万円×2=65万円
社会保険料は1馬力の時よりも高くなっていますが、税金は大きく下がっています。
手取り額も一番多く、年間の手取り額は780万円です。
3つのケースを比較して分かること
ケース①とケース②を比較すると、同じ年収1,000万円でも配偶者がいる方が配偶者控除の恩恵で税金が少なく済んでいます。
ケース①とケース③では月に4万円超、年間で50万円も手取り額に差が付きました。
さらに、夫婦で500万円ずつ稼ぐと社会保険料が上がる分、将来受け取る夫婦での老齢年金の合計額も多くなります。
1馬力でたくさん稼ぐよりも、可能であれば夫婦2人で半分ずつ稼いだ方が、今も将来も税制面では優遇されているのが現状です。
まとめ
今回の3つのケースを見ると、年収1,000万円と言っても毎月の手取り額は60~65万円で、思ったほど多くないという印象を受けました。
また、今回は子どもなしの設定ですが、年収1.000万円を超えると児童手当(子どもの人数による)や高校無償化の所得制限に引っかかってきます。
保育園に預ける場合の保育料も収入が上がるほど高くなりますし、高額療養費の限度額も上がります。
これは仕方のないことですが、収入が上がるほど給付は減り負担は増えます。
年収1,000万円を目標にしている人にとっては残念なことでしょうが、年収1,000万円でも贅沢ができるほどの収入ではないことが分かります。
実際に、年収1,000万円超の世帯の約1割には金融資産(貯金)がないと言われています。
収入を上げることは大事ですが、やはりお金を賢く管理することがより重要ですね。
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