収入が増えてもなぜかお金が貯まらない理由
収入が増えたのになぜかお金が残らない、こんな声をよく聞きませんか。
金融広報中央委員会が毎年調査している「家計の金融行動に関する世論調査」(平成29年版)によれば、年収1,000万円以上の世帯でも10世帯に1世帯は貯金が全くありません。
年収1,000万円もあれば暮らしにだいぶ余裕があり、貯蓄もたくさんできそうですが、なぜなのでしょうか。
累進課税制度が原因!?
日本では累進課税制度を採っています。
所得が増えれば増えるほど、所得税も高くなります。
下の図を見ると、確かに収入が増えるほど税金などの負担が大きくなることが分かります。
*会社員(営業職)、30歳、独身、ボーナスなし、社会保険加入(協会けんぽ)、収入は給料のみ、
東京23区在住で勤務先も都内、基礎控除以外の控除なし、前年度も年齢以外は全く同じ
とはいえ、月給が増えれば手取りも増えていますので、収入が増えたのになぜかお金が残らない原因は累進課税ではないことが分かります。
収入が増えたのになぜかお金が残らない真の原因
収入が増えたのになぜかお金が残らない真の原因なんでしょうか。
それは、ごく当たり前のことですが、「増えた分も使ってしまっているから」です。
では、どうして人は増えた収入も使ってしまうのでしょうか。
イギリスの歴史学者で政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した「パーキンソンの法則」には、次の2つの法則が挙げられています。
・仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
・支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
簡単に言うなら、人は時間もお金もあればあるだけ、(本来必要ないことや必要ない物にも)使ってしまう習性があるということです。
大したことをしていないのにいつの間にか何時間も経っていたり、気づくと給料日前はカツカツになっていたりなんてことは、多くの人が経験したことあるのではないでしょうか。
こんな法則があるのなら、お金が貯められなくても仕方ない!というわけではありません。
特に意識していなければ、パーキンソンの法則通りいつまで経っても時間もお金もないままですが、意識的に取り組むことで改善することが可能です。
時間の面で言えば、期限を早めたり、作業時間を明確にしたり、完璧を求めないようにしたりすることで改善できます。
お金の面で言えば、天引きなどで先取り貯金をしたり、予算を組んだり、財布に入れる金額を抑えたりして、なんとなく使ってしまうことを減らせます。
時間もお金も有限ですので、必要でないものに費やしたくはないですよね。
どちらも意識して賢く用いたいものです。